マイクロファイナンス解体新書 世界の貧困層を救い、なおかつ持続可能なビジネスを行う
マイクロファイナンスの仕組みと可能性について

マイクロファイナンスが必要なのは途上国だけではない

マイクロファイナンスと聞けば、多くの人が「発展途上国の貧困層に対するもの」だと思っています。日本ではグラミン銀行が有名なことと、それ以外はあまり知られていないことが原因でしょう。しかし実際には、先進国でも数多くのマイクロファイナンス機関が活動をして、先進国の貧困層の人達を助けています。

例えば、マイクロファイナンスの元祖とされるNPO法人「アクシオン」は、1970年代に南米を中心に活動を始めましたが、1991年より、本国のあるアメリカでも活動を行っています。現在では、アメリカ国内だけでも1万6千人以上の貧困層に、1.5億ドル以上を融資していると公表されています。

ご承知のように、アメリカ合衆国は極端な市場原理主義政策が行われており、先進国では最も貧富の差が激しいと問題視されています。その根拠の一つとして、国連発表のジニ係数では、先進主要国ではアメリカが最も高い数値です。

先進国のジニ係数(国連発表値)
日本 アメリカ イギリス フランス ドイツ イタリア
24.9 40.8 36 32.7 28.3 36

またアメリカは、大量の移民を受け入れている国家でもあることが、格差を生む一つの要因です。特に、黒人層や中南米出身のヒスパニック系移民は、低賃金の労働しか得られない傾向が強く、就職差別が問題となっています。

アクシオンをはじめ、カルバード財団、CDFI(地域開発金融機関)、MFIC(マイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーション)などの機関が、こうした移民層・貧困層に対して援助を行っています。貧困層は銀行口座を持てないケースも多いので、融資だけでなく送金・決済システムを含めた、総合金融サービスを提供する機関もあります。

先進国では日本だけ存在しないのは大きな問題

同様にイギリスでも、アメリカの例を習ってCDFI(地域開発金融機関)が作られたり、ストリートUKというNPO法人が貧困層への融資を行っています。フランスやドイツなど、他の欧州先進国でも、同様のマイクロファイナンス機関が存在しています。

むしろ、先進国でマイクロファイナンス機関が存在しないのは、日本位しかありません。日本では、お金に困った人が駆け込む先は消費者金融や商工ローンですが、これらは完全な営利ビジネスなので、マイクロファイナンスとは趣旨が異なります。同じ無担保融資でも、消費者金融は無慈悲に返済金を取り立てるだけですが、マイクロファイナンス機関では、職員が様々な指導をしたり、またグループ内で助け合うなどを行わせ、借り手の人達の自立を促す教育機関でもあるのです。

日本では、借り手の教育・指導を含めた援助を行うのは、生活サポート基金などごく一部の機関だけです。近年では消費者金融や商工ローンが問題視されていますが、彼らの目的は営利ビジネスなので、高い金利や強引な取り立てが行われるのはある意味当然でしょう。本当にお金に困った人達を助けたければ、消費者金融を非難したり規制したりするのではなく、欧米のようにマイクロファイナンス機関を設立し、借り手の教育まで含めた融資システムを作るべきなのです。


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