マイクロファイナンス解体新書 世界の貧困層を救い、なおかつ持続可能なビジネスを行う
マイクロファイナンスの仕組みと可能性について

BOP市場とは

BOPとは「Bottom Of Pyramid」の略で、経済的に社会の底辺にいる人達、つまり貧困層を意味する言葉です。BOPの定義は様々ですが、当サイトでは国連が「絶対的貧困」に分類している人々(推計40億人以上)を定義として解説します。

BOP層のほとんどがアフリカ諸国か、インド・カンボジア・バングラディシュなど南アジアに住んでいます。彼らの多くが一日2ドル〜年間1000ドル未満という、極めて乏しい所得しか得られていません。そのため20世紀までは、BOP層の人はビジネスの対象と見られておらず、グローバル展開する先進国企業だけでなく、地元企業ですら、彼らを顧客とは考えていませんでした。

しかし、グラミン銀行がマイクロクレジットで成功している事など、徐々にBOP層を対象としたビジネスモデルが構築されはじめています。彼らは購買力の絶対額としては乏しいですが、ビジネスの対象には十分なり得ることが立証され始めています。BOPビジネスの拡大には、以下の3つの要因があります。

  • 対象人数が多いこと
  • 商品単価は低いが、利益率は高いこと
  • 将来を見据えたブランド認知(広告)として

BOPビジネスの成功例として最も有名なのは、ヒンドスタン・ユニリーバ(ユニリーバのインド法人)という企業です。同社はインドの農村部で、日用品などを販売するビジネスで成功を収めています。

ビジネスと社会貢献の両立

ヒンドスタンユニリーバは、例えば購買力に乏しいBOP層に対して、一回使いきりの小さな袋入り石鹸を販売しています。この石鹸の単価はわずか2ルピー(約4円)に過ぎません。ところが、都市部で販売しているボトル詰めの石鹸と比べても、利益率はむしろ高い位だといいます。また、彼らがやがて経済的に豊かになった際に、ユニリーバのより高価な日用品を購入してくれることを期待して、ブランドを認知させておく「先行投資」の意味合いもあります。

インドのBOP層は石けんの手洗い習慣が無く、下痢などの病気で苦しむ人が非常に多かったのです。そこでヒンドスタン・ユニリーバは、現地の学校教育と連携して、子供達に石けんでの手洗い習慣の必要性を指導するプログラムに取り組みます。彼らの意図の半分は「石鹸を買ってもらう」営利目的ですが、一方で「貧困層の健康を守る」という社会貢献活動(チャリティ)でもあるのです。

また、販売も社員が行うのではなく、「シャクティ」という方法を導入しています。シャクティとは、農村部の女性達を教育し、商品のことなどもしっかり理解させて、販売員として雇う仕組みです。シャクティ制度により、現地の女性達の雇用を生む社会貢献になる一方、ヒンドスタン・ユニリーバは販売コストを下げられるので、一石二鳥なのです。

ヒンドスタン・ユニリーバがBOPビジネスの成功例と言われるのは、マイクロファイナンスの趣旨と同じで、ビジネスと社会貢献活動を両立させたことが、評価を高めている要因なのです。

2000年代は、中国が「世界の工場」から「マーケット(消費市場)」として変貌し、世界から注目された時代でした。そして2010年代は、BOP層が重要なマーケットになるだろうと予測されます。前出のヒンドスタン・ユニリーバのように、欧米企業では既にBOP層を意識したビジネスを展開し始めています。しかし、日本で本格参入している企業は極めて少なく、盛んなのは一部のベンチャー企業やNGO団体に限られます。


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