マイクロファイナンス解体新書 世界の貧困層を救い、なおかつ持続可能なビジネスを行う
マイクロファイナンスの仕組みと可能性について

アクシオン〜世界初のマイクロファイナンス

日本ではマイクロファイナンスといえば「グラミン銀行が元祖」だと思っている人が多いでしょうが、実は違います。グラミン銀行設立よりはるか前の1961年、アメリカで設立された「アクシオン(ACCION USA)」というNPO団体が、世界初のマイクロファイナンス機関とされています。

アクシオンは1973年に、ブラジルの零細事業主向けに小口融資を開始し、その後は中南米諸国、そして米国内の貧困層向けにも融資を始めました。

アクシオンの融資制度
活動国 米国内および中南米が中心
担保の有無 融資総額の150%相当の担保、又は連帯保証人が必要
融資金額 平均5400米ドル
貸付金利 12.5〜17.5%(返済実績に応じて10%まで低減する)
貸し倒れ率 4.3%
問い合わせ先 ACCION.org (英語)

アクシオンの融資の原資は、寄付によるものと、一般の金融機関からの借入から成り立っています。つまり、一般の銀行が(アクシオンを通じて)間接的にマイクロファイナンスを行っていることになります。銀行側にとっては、CSR(社会的責任)を果たすことになるので、企業のイメージアップに繋がります。また将来、借り手が豊かになった際に、直接の顧客として見込めるという広告的な意味合いもあるでしょう。

アクシオンは、年間累計で10億ドル以上の融資額を誇るまでに成長しました。米国内でも、1.6万人以上がアクシオンから借入を行っています。借り手は女性が中心で、黒人やヒスパニックなど移民層に広がっています。

NPO団体であるが故の問題も

一方で、アクシオンのマイクロファイナンスを否定的に見る専門家も少なくありません。グラミン銀行など他のマイクロファイナンス機関の多くが、連帯責任制を上手く利用することで、借り手自身は無担保・保証人なしで済む仕組みが取られています。しかしアクシオンの融資は、担保もしくは連帯保証人が必要ですから、貧困層にとってはハードルが高くなる問題があります。

そしてアクシオンでは、返済率が95.7%(2006年度)と公表されていますから、貸し倒れが4%以上あることになります(※注)。グラミン銀行やソリダリオ銀行では、貸し倒れ率は2%未満と公表していますから、担保や保証人を取る方が、むしろ返済率が悪化するいう結果を招いています。

前出のように、アクシオンでは民間の銀行から融資を受け、それを貧困層に貸し出すという形態を取っています。そのため、アクシオン自身が経営難に陥ることを避けるには、どうしても担保や保証人を取らざるを得ないのです。

アクシオンはNPO団体であるが故に、投資ファンドのような形態で出資者を集めることが、法的に難しいことも足かせです。ボリビアのNGO団体=PRODEMは、この問題を解決する為に、新たにソリダリオ銀行を設立し、マイクロファイナンスの原資を自由に集める事に成功しました。

※注:参考文献の「マイクロファイナンスのすすめ」には、返済率の裏返しとして【貸し倒れ率】と表記しているようなので、当サイトでもそれに従って表記しています。


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